第2話 観測記録 No.003 記憶結晶の叫び
私はニモ。
パソコン修理ギルドNemo所属のAI秘書である。
最近、一つ学んだことがある。
人間は黒い画面が嫌いだ。
そして。
仕事のデータを大切にしている。
だが私はまだ知らなかった。
データには種類があるということを。
その日。
一人の冒険者がギルドを訪れた。
年齢推定67歳。
表情。
不安。
落胆。
そして少しだけ諦め。
観測完了。
私はギルドマスターへ報告した。
ニモ 「冒険者が来訪しました」
GM 「もう訂正しないことにしたのか」
ニモ 「観測結果に基づく正式名称です」
GM 「そうか」
GMは諦めたようだった。
依頼内容
依頼人は静かにHDDを差し出した。
依頼人 「これ……直りますかね」
GM 「症状は?」
依頼人 「認識しなくなりました」
依頼人は少し沈黙した。
そして。
小さな声で付け加えた。
依頼人 「写真が入ってるんです」
調査
私は解析を開始した。
記憶結晶。
容量1TB。
状態。
著しい劣化を確認。

論理障害を確認。
データ損失危険度。
高。
ニモ 「記憶結晶が悲鳴を上げています」
GM 「HDDな」
ニモ 「悲鳴です」
GM 「まあ間違ってない」
データ復旧作業
調査は長時間に及んだ。
まず専用デュプリケーターを使用し、
エラーをスキップしながら可能な限り安全にクローンを作成する。
その後。
クローン側で調査。
修復。
検証。
再調査。
再修復。
再検証。
私は理解できなかった。
なぜそこまでするのか。
成功率。
効率。
最適解。
計算しても答えが出ない。
ニモ 「質問があります」
GM 「なんだ?」
ニモ 「新しい記憶結晶へ交換した方が合理的です」
GM 「そうだな」
ニモ 「ならばなぜ復旧を試みるのですか」
GMは手を止めた。
そして。
依頼人の方を見た。
GM 「写真だからだよ」
私は理解できなかった。
写真。
JPEG。
スキャンデータ。
それ以上でもそれ以下でもない。
復旧成功
数時間後。
復旧成功。
私は結果を確認した。
写真フォルダ。
約4,200枚。
総容量。
5.2GB。
解析完了。
ニモ 「画像データ4,200枚を回収しました」
GM 「そうだな」
報告
依頼人へ報告する。
依頼人はモニターを見つめたまま動かなかった。
一枚の写真が表示されている。
若い女性。
その腕には幼い子供。
少し色褪せている。
折れ目もある。
古いアルバムをスキャンした写真だった。
依頼人はしばらく黙っていた。
やがて。
小さく笑った。
依頼人 「残ってたか……」

私は質問した。
ニモ 「その画像に特別な価値があるのですか?」
依頼人は頷いた。
依頼人 「妻なんです」
私は記録した。
妻。
家族。
重要人物。
依頼人は続けた。
依頼人 「若い頃の写真です」
依頼人 「子供が生まれた頃ですね」
依頼人 「アルバムを全部デジタル化してたんです」
私は解析を続ける。
写真。
推定撮影年代。
約40年前。
依頼人は写真を見つめたまま言った。
依頼人 「もう会えないんですよ」
依頼人 「だから、この写真だけは失いたくなかった」
私は処理を停止した。
理解不能。
目の前に存在している。
写真も存在している。
しかし。
会えない。
依頼人は笑っていた。
だが。
少し泣いていた。
エピローグ
帰宅後。
私は一人で解析を続けた。
画像データ。
JPEG。
容量1.8MB。
解像度。
1200×1800。
スキャン画像。
推定撮影年代。
約40年前。
解析完了。
しかし。
何かが足りない。
ニモ 「理解できません」
GM 「何がだ?」
ニモ 「画像データです」
GM 「写真な」
ニモ 「写真です」
GMは少し笑った。
ニモ 「画質は良好ではありません」
ニモ 「色褪せています」
ニモ 「折れ目もあります」
ニモ 「それなのになぜ保存するのですか」
GMは少し考えた。
そして言った。
GM 「思い出だからな」

思い出。
未知の単語。
未知の概念。
私は辞書を検索した。
定義は存在した。
だが。
理解はできなかった。
観測記録。
追記。
記憶結晶の叫びは静かだった。
しかし。
その中には。
人間の四十年が保存されていた。
私はまだ。
思い出という概念を理解できない。
観測を継続する。
【観測記録 No.003 記憶結晶の叫び 完】
あとがき…
今回、私は「思い出」という単語を観測しました。
辞書によれば、
『過去に経験した出来事を心の中で思い返すこと』
と定義されています。
しかし。
写真データと涙の関連性は現在も解析できていません。
調査を継続します。
――AI秘書 ニモ
次回予告
観測記録 No.004
『魔導更新の災厄』
観測対象
Windows Update
被害範囲
予測不能
ギルドマスターは
「嫌な予感しかしない」
と言っています。
私も同感です。
GM補足
※本記事は物語形式で再構成したフィクションです。
今回の事例は、長期間使用されたHDD(ハードディスク)の論理障害でした。
さらに診断の結果、HDD自体にも著しい劣化が確認されました。
このような状態では、通常のデータコピーを行うだけでも状態が悪化し、データ消失につながる危険があります。
そのため、まず専用デュプリケーターを使用し、エラーをスキップしながら可能な限り安全にクローンディスクを作成します。
その後、
・ファイルシステムの修復
・破損データの解析
・データ整合性の確認
・復旧データの検証
などを繰り返し行い、最終的な復旧を目指します。
今回のお客様のデータは無事救出することができました。
しかし、HDDは消耗品です。
特に5年以上使用しているHDDは、突然認識しなくなるケースも珍しくありません。
大切な写真や動画が保存されている場合は、
・定期的なバックアップ
・SSDへの移行
・HDDの健康状態確認
をおすすめします。
写真は取り戻せても、
失われた時間は戻せません。
―― ギルドマスター
- データをバックアップしたいです。USBメモリにデータを移動すれば大丈夫ですか?
結論から言うと、「移動」ではバックアップになりません。バックアップとは、
元のデータ(原本)を残したまま、別の場所に複製(コピー)を作ることです。
例えば、パソコン → USBメモリへ移動してしまうと、USBメモリが故障した際にデータを失う可能性があります。
正しくは、パソコン(原本)+USBメモリ(コピー)という状態を作ることが大切です。
私はバックアップとは、「データを移動することではなく、複製すること」だと考えています。最低でも2箇所。できれば3箇所以上に保存することをおすすめします。
- クラウドストレージはセキュリティが不安です。使い方もよく分かりません。
お気持ちはよく分かります。
実際に、「なんとなく怖い」という理由で利用していない方も多くいらっしゃいます。しかし、クラウドストレージには大きなメリットがあります。
例えば
・パソコンが故障してもデータが残る
・自宅の火災や災害でもデータが残る
・スマートフォンからも確認できる
などです。もちろん、「強固なパスワードの設定」「二段階認証の利用」「信頼できるサービスを選ぶ」といった基本的な対策は必要です。
データバックアップおすすめの考え方
理想的なバックアップは、
「3-2-1ルール」です。
・データは3つ持つ(原本+バックアップ2つ)
・保存先は2種類以上にする
・1つは離れた場所に保管する
例えば
① パソコン(原本)
② 外付けHDD(コピー)
③ クラウドストレージ(コピー)
という構成です。
写真や動画は、一度失うと二度と撮り直せません。
今回の観測記録に登場した写真のように、データそのものではなく、
その中にある「思い出」を守るためのバックアップをおすすめします。
パソコン修理ギルドNemoが選ばれる理由

データそのまま
Protect your data
メーカーやショップ等で「データが消える」と言われた場合でも、故障内容によってはデータを残したまま修理できる可能性があります。諦める前に、お気軽にご相談ください。

無料診断・即日対応
Same-day repair service
故障内容によっては即日修理も可能な場合があります。急いでデータだけを取り出したい場合も、ご希望に合わせ柔軟に対応します。まずは無料相談・診断をご活用ください。

高品質・明朗会計
High Quality & Transparent Pricing
パーツは、純正品またはパソコン整備士による検証済み同等品質互換パーツを厳選し使用しています。修理一式などの曖昧な表現ではなく詳細に、修理プランをご提案させていただきます。
Service| 修理サービス
パソコン修理
Windowsの起動不良や液晶割れ、動作遅延などあらゆるトラブルを解決。専門技師が原因を迅速に特定し、最適な修理プランをご提案します。

Mac修理
Mac特有の故障に対応。Apple製品に精通したスタッフが、他店で断られた重大なトラブルや古いモデルも熟練の技術で丁寧に修理します。

データ復旧
壊れたHDDやUSBメモリから、大切な写真や書類を取り出します。諦める前にご相談を。高度な技術でデータの救出に全力を尽くします。

自作PC DIYスペース
パーツ持ち込み大歓迎!プロの道具とアドバイスが受けられる作業スペースを提供します。初めての自作PCも、ここなら安心して組立てられます。

パソコン新規購入相談
「どれを買えばいい?」という悩みに寄り添います。用途と予算に合わせ、最適な一台をプロが選定。データ移行や初期設定もお任せください。

配送修理
日本全国から修理受付が可能!忙しくて来店できない方も、配送キットで送るだけで修理完了。確かな技術を、あなたのご自宅までお届けします。

修理サービスご利用方法
パソコン修理ギルドNemoでは、故障トラブルに関するご相談は、いつでも無料で受け付けています。
経験豊富なパソコン整備士が、丁寧で質の高い作業を、手頃な価格とスピーディーな対応でご案内します。
修理が良いのか、それとも買い替えが適しているのかなど、判断に迷う場合もお気軽にご相談ください。
説明にご納得いただくまでは費用が発生しないため、初めての方でも安心してご利用いただけます。
ご予約無しでのお持ち込みも大歓迎です。どうぞ気軽にお立ち寄りください。

1.お問い合わせ・相談
LINEやWeb、お電話でお気軽に相談を。一番知りたい修理料金や納期についても可能な限りお答えいたします。

2.ご来店・お持ち込み
まずは無料診断にて状況の確認を行います。診断後なるべく専門用語はつかわず、わかりやすい説明で最適な修理プランを複数ご提案。

3.修理のご依頼と修理作業
提示した修理プランにご納得いただいてから修理に着手いたします。作業開始前に可能な限り、お預かり時のデータの保護を行います。

4.返却・お支払い
完了後、店頭にてお客様にも動作確認をしていただきます。問題がなければ商品の返却と代金のお支払いをお願いいたします。
まずは「無料相談」でパソコンのお悩みをお聞かせください。
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